世界のモンブラン万年筆の誕生
モンブラン(montblanc)は万年筆のトップブランドとしてもっともよく知られたメーカーです。「The Art of Writeing」(書く芸術)と自負するとおり、モンブランの万年筆は世界中の愛好家に最高級ブランドとして知られ、高品質とデザイン性の高さのゆえに、“芸術品”とまで言われ、愛されています。モンブランの誕生は1906年。クラウス・ヨハネス・フォスという企業家の手によって、万年筆のトップメーカーとして歴史の第一歩を踏み出しました。フォスはハンブルクでペンの製造を営む2人の技術者に出資し、当時の主流であったスポイト式のペンを製造。初期は資金難など、苦境にあえぎますが、オリジナルのセーフティーペン(キャップにピンが仕込まれていて、キャップを閉めるとピンがペン先を保護するという仕組み)が成功し、難局を乗り越えました。
モンブランの象徴ホワイトスターとマイスターシュテュック万年筆の登場
モンブランの万年筆の象徴といえば、モンブラン社のロゴである“ホワイトスター”です。ヒマラヤの山頂に積もる雪をイメージしたこのシンボルマークの誕生にはこんな逸話があります。1910年当時、モンブランの万年筆はトップに白いキャップをあしらったものをメインに製造し、それがモンブラン万年筆のシンボルとされていました。モンブラン社はシンボルと認知されているこのデザインを商標登録しようとしましたが、万年筆のデザインで商標登録はかないませんでした。そこで、商標登録が可能なホワイトスターのマークを取り入れ、以来ホワイトスターがモンブランの象徴として、それぞれの万年筆の頂上に座すこととなるのです。モンブラン山の頂に降り積もる雪の様に。シンボルマークが徐々に認知されていくのではなく、認知されたデザインを表すためにシンボルマークが生まれたというわけです。ホワイトスターがモンブラン万年筆の代名詞となるのは必然でした。近年では、万年筆などの高級筆記具・インクやペンケースなどの関連商品だけでなくバッグや時計、アクセサリーなど幅広い展開を見せるモンブラン。それぞれの商品には当然このホワイトスターがあしらわれ、各々の商品をモンブランたらしめ、デザインをぎゅっと引き締めています。
さて、現在では万年筆のトップメーカーとして真っ先にあげられるモンブランですが、モンブランをトップブランドにまで押し上げたシリーズが存在します。それが、1924年に登場した“マイスターシュテュック”(Meisterstuck)。マイスターシュテュックは万年筆の歴史上、最も名高い一品です。ヨーロッパの優れた伝統にしたがい手仕上げでつくられたこの万年筆はモンブランの名を一躍世界に広め、万年筆業界を席巻することとなります。その存在感は圧倒的で「20世紀を創った万年筆」とまで言われています。「20世紀を創った」という言葉の意味はもちろん、他社の万年筆に少なからぬ影響を与えたというニュアンスを含みますが、この言葉にはもう一つの意味があります。それは、マイスターシュテュックにより世界中で行われた重要な会合の調印がなされ、20世紀の文豪達の手により、その芸術的なペン先から数々の文学作品を生み出してきたということです。
万年筆のみならず20世紀の歴史を作ったと言われる、マイスターシュテュックは1950年代に“マイスターシュテュック149”で完成され、細やかな改良を加えながら今なお、モンブラン万年筆のフラッグシップモデルとして製造され世界に名を轟かせています。マイスターシュテュックの名を知らない人でさえ、“万年筆”と聞いてイメージする形状はマイスターシュテュックのものでしょう。それぐらい、マイスターシュテュックは象徴的で有名な存在なのです。それは、モンブランという垣根を越えて、世間一般の“万年筆”のイメージとされるほどに。

写真は次世代の象徴となるであろうスターウォーカー
モンブランの21世紀をつむぎ出すシリーズ〜スターウォーカー
前述した“マイスターシュテュック”は「20世紀を創った万年筆」としてモンブランの万年筆の象徴となっていますが、マイスターシュテュックが20世紀を創ったのなら、スターウォーカーは「21世紀を創る」万年筆といえます。2003年に登場したこの万年筆の特徴はなんといっても、細身のそのボディ。太軸のマイスターシュテュックとはうって変わって、スマートなフォルムを打ち出してきました。これまでのモンブランの万年筆のイメージを崩すかのようなスタイルですが、そこはさすがモンブラン。全体に漂う重厚感、手にしたときのフィット感、とても他のメーカーに真似が出来るものではありません。21世紀のモンブランを象徴する新シリーズの万年筆として売り出していこうというモンブランの意気込みか、それとも発売数年で確固たる地位を築き上げたことへの評価か。モンブラン100周年となる2006年。モンブランが100周年記念限定モデルとして抜擢したシリーズは他ならぬスターウォーカーでした。ホワイトスターをダイヤであしらった豪華な100周年限定モデルは2006年いっぱいの限定生産となり、今では入手困難となっています。
21世紀のモンブランの万年筆をリードするスターウォーカー。2007年秋にはブルーのスターウォーカーも登場し、着実に存在感を強めていっています。さて、このスターウォーカーがつむぎ出す、21世紀のモンブランは、万年筆はいったいどのようなものになるでしょうか。

モンブランの万年筆、その他のシリーズなどなど
モンブラン作家シリーズ…1992年に登場したシリーズ。作家と文化興隆を支えた偉大なパトロンを称えた限定品モデル。その価値は投資の対象となるほど高く認められ、コレクターの間で高値で取引されています。
モンブランボエム・・・
「書けるアクセサリー」として有名なボエムシリーズ。クリップ先端にカラーストーンを埋め込んだシリーズ。胸ポケットに差し込むとカラーストーンがアクセントとなり、とってもお洒落。まさに「書けるアクセサリー」の名に恥じない。万年筆としてもアクセサリーとしても両立するこのペンの存在はモンブランの万年筆の芸術性の高さを端的に表しています。
修理について・・・
修理については慎重に行う必要があります。
購入したお店にお願いする分には問題ありませんが、取扱店以外にお願いする場合は今後の万年筆の修理がモンブランの保障対象外になる可能性があることを考慮してください。
替え芯やインクについて…
ボールペンの替え芯は、もちろん純正品のものでないと合いません。太さはお好みでお選びください。ボトルインク・カートリッジインクについては純正品にこだわる必要はありません。モンブランの純正インクを楽しむもよし、他社の様々なインクを楽しむもよしです。カートリッジインクはいわゆる“ヨーロッパサイズ”と呼ばれる一般的なものですので、これもお好みで他社のものをお使いください。